阪神大震災メモ #3
2014-03-30


「被災者の苦しみ助長する日本政府」
(加護野忠男、『日経ビジネス』1995年3月20日号)

震災はまだ終わっていない:

「ところで、東京では阪神大震災はすでに過去の出来事になってしまっ
たようだ。たまに東京へ出ると、彼我の温度差に驚かされる。・・・今回
の地震の収穫の1つは、神戸の人々が日本政府の存在を客観的に捉
えるようになったことだ。・・・日本政府というものは遠く離れた東京にあ
るもので、実際には何の頼りにもならないということを、人々はいやとい
うほど思い知らされた。・・・政府がやっているのは、最低限の責任だけ
は果たしていますよ、というつじつま合わせ。だから、やることなすことタ
イミング遅れで、ピントがずれている。それがまだ続き、被害をさらに大
きくしている。」

罪作りな中小企業復旧支援措置:

「助けられないなら、何もできないと正直に言うのが一番の親切であ
る。助けるというポーズを見せて、頼ってきたら肩透かしをするという
ことほど罪作りなことはない。」

この措置は、5000万円限度で2.5%の超低利融資を行う制度で、かつ
2000万円までは無利子、1000万円までの無担保無保証というもので
ある。数坪規模の商店でも2〜3千万円の在庫は当たり前の時代に、
この程度の金額で事業再建はできるのだろうか? ”つなぎ”というこ
とならば、本格的な復興資金はいつ、どのような条件で供給されるの
か?

「将来の展望もないまま、藁をもすがる思いでお金を借りようという人々
には、お金を貸さない方が親切というものだ。」

「東京の政府は、この際何もできないということをはっきりと宣言すべき
だ。それが被災者に対する最大の思いやりである。憤りは飛躍のバネ
になる。・・・被害は日に日に拡大を続けているのだ。」
[3.11]

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